輸入先はアメリカのほか、ドイツ、フランス、イギリス、イタリアのヨーロッパ車がほとんどです。
その中でもドイツ車の人気は非常に高く、輸入車販売台数の70パーセント程度の割合を占めるほどとなっています。
では、なぜそんなにドイツ車の人気が高いのでしょうか。
ドイツ車の魅力
よく言われるのが、ドイツ車の「ボディ剛性」「安全性」そして「走行性能」です。
日本に高速道路は存在しますが時速100キロで走るのがせいぜいです。
もちろんそれ以上のスピードが出せるクルマが大半ですが、それ以上を出すと警察の取り締まり対象となってしまいます。
しかしドイツにはアウトバーンという速度無制限で走ることのできる高速道路があり、そこでは時速200キロ以上で巡行するのが普通です。
したがって、そんな高速走行に耐えうるクルマでなければならないことから、日本車とは比較にならないほどのボディ剛性や安全性、走行性能が必要なのです。
200キロの速度に見合うためのボディ剛性やサスペンション、ブレーキといった足回りに高レベルな設計が必要となりますし、ボディ剛性が高まるとクルマ自体が頑丈になります。
そのため、もし事故で衝突した際にも安全であるというわけです。
さらに万が一の事故の際の安全装備も、日本車で取り入れられるよりはるか以前にドイツ車が装備していました。
ドイツ車と国産車
また、よく言われる日本人とドイツ人の気質に共通点が多い点も理由の一つといえるかもしれません。
いわゆる「質実剛健」で、それがクルマ造りにも反映されていることが好まれているというわけです。
そしてやはりクルマに対する「ブランドイメージ」も大きな要素です。
日本では今でも「外車」=「カッコいい」「お金持ち」というイメージを持つ人は少なくありません。
確かに同じスペックのクルマでも、国産車よりも輸入車のほうが値段は高いですし、デザインもおしゃれでシャープな雰囲気があります。
けれども、輸入車に対するネガティブなイメージも根強くあり、たとえばアメリカ車は燃費が悪い、イタリア車は故障が多い、フランス車はおしゃれだけれどもスペックがイマイチ…、といったものです。
そんなイメージの中で、先述した「質実剛健」なドイツ車は日本人のクルマに対する希望を満たしていることから人気が高いと考えられるのです。
ところが外国に行くと日本車の人気は非常に高く、2015-16年における自動車メーカー別世界シェアの第1位はトヨタで、その他にも日本車メーカー4社がベスト10以内に入っているほどなのです。
それぞれの国で持つクルマに対する考え方は、非常に興味深いですね。